■合流から「1週間もない、短ければ2日」

 ただし、このコロナ禍ゆえに、チームに合流して練習をする時間は「ほぼないに等しかった」(早川監督)という。GKスベンドが東京五輪で入国後にそのまま日本に滞在したのが恐らくは長いほうで、7月下旬に来日した他の選手も考えれば、「(合流から)1週間もない、短ければ2日というところ」と指揮官が明かしたように、緊急登板に近い状況だった。それでも、「隔離期間中もオンラインでコミュニケーションを取っていましたし、戦術的な落とし込みもできていました」(早川監督)と話すように、チームイメージの共有には事前に時間を割いていた。

 この試合では、暴風が吹き荒れたこともあって、GKスベンドのキックは安定感を見せることができたとは言い難かった。それでも、後半に名古屋の強烈なシュートを腕一本で防ぐなど、その守備力の片鱗を見せることはできた。チームの失点数はリーグワースト。その救世主として期待は大きい。

 また、最終ラインに入ったガブリエウは74分間出場した。3バックの左でプレーし、完封に貢献。まだ連携が未成熟な中にあっても、強さと堅さを見せることに成功した。横浜FCの最終ラインの鉄壁の門番になる可能性を秘めた存在と言えそうだ。

 サウロ・ミネイロは11分、フェリペ・ヴィゼウは16分と終盤での限られた出場機会ながらも、前者はスピードで、後者は高さと強さで攻撃に絡んだ。得点を決めることはできなかったが、攻撃の活性化を期待せずにはいられない雰囲気を持っている。

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