■「コンビネーションプレーができてない」

大住「そうなんだよね。チリ戦では木下桃香を使っていたでしょ?たしかに可能性はある選手なんだけど、まだ、ひとりで何かしようという感じではないんだよね。常に新しい選手を入れて新鮮味を出しているけど、チームとして前に進んでいるかというと、結局は進んでこなかったなって感じ。

 チーム全体として、身体の大きさにはこだわらないで、海外にはいないようなテクニックがある選手を使っていこうというのは良いと思う。けど、それでチームをどうするのか、というのが結局は完成しないままオリンピックに突入してしまった。それが、コロナのせいで予定が狂ってしまったのが原因なのは分からないけど」

後藤「たしかにコロナのせいで、1年半くらい大変だったし、強い相手とも対戦が出来なかったから条件としては悪いけどね。でも、高倉監督は5年間もやってきたんだから、それは言い訳にならないと思う」

大住 「本当にコンビネーションプレーが何もなくて、ひとりひとりが何とかしてボールをつなげるしかない、というのは日本のサッカーじゃないよ」

後藤「もしその方向なら、もっと個の強い選手を入れないと打開できないよね。上手さだけで話すなら、岩渕はそれができる選手」

大住「そうそう。岩渕は上手いし、相手に当たられないようなプレーができる。彼女だけが飛び抜けているんだよね」

後藤「個の強さで話すなら、当たられても平気な永里優季とかもいる。けど使わない」

―せめて女子サッカー全体のグランドデザインは示して欲しかったですね?

後藤「そうだよ。女子サッカーはこれからプロリーグが始まるんだよ?奇跡を起こして金メダルを取る可能性も残ってはいるけど、もしもオリンピックで惨敗なんかしたらまずいよ」

 

第6回につづく
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