【東京五輪】決勝Tの激論(5)「なでしこは岩渕真奈への依存が大きい」「これまでのなでしこはチームでいなしていた」の画像
岩渕真奈  撮影:渡辺航滋(SONY α9Ⅱ使用)
自国開催の東京五輪で、サッカーの五輪代表は男女ともに1次リーグを突破して決勝トーナメント進出を決めた。女子は1勝1敗1分、男子は全出場国中唯一となる3勝。取材歴50年のサッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生の2人はこの東京五輪と日本サッカーの未来をどう見るのか――。
第4回はこちらから

●ベスト8組み合わせ
・男子
日本(A組1位)
ニュージーランド(B組2位)

スペイン(C組1位)
コートジボワール(D組2位)

韓国(B組1位) 
メキシコ(A組2位)

ブラジル(D組1位)
エジプト(C組2位)

・女子
英国(E組1位)
オーストラリア(G組3位)

スウェーデン(G組1位)
日本(E組3位)

オランダ(F組1位) 
米国(G組2位)

カナダ(E組2位)
ブラジル(F組2位)

●ベスト8以降の試合日程
女子
・7月30日(金)
17時 カナダVSブラジル
18時 英国VS豪州
19時 スウェーデンVS日本
20時 オランダVS米国

男子
・7月31日(土)
17時 スペインVSコートジボワール
18時 日本VSニュージーランド
19時 ブラジルVSエジプト
20時 韓国VSメキシコ

■「攻めが岩渕に依存しすぎな印象」

―ここでいったん、なでしこジャパンに話を移しましょう。

大住「2戦目の対イギリスでは、前半は良くなっていたよね」

後藤「よく守って、しっかりと試合はしていたけど、じゃあ、ボールを奪ったそのあとにどうやってつないで、どうやって攻めるかがないんだよな。結論を言っちゃうと、今までのチームの攻めが、岩渕真奈さん頑張ってくださいね、という状況なんだよ。そして岩渕がいなくなったら、あんな風になっちゃった。チリ戦は岩渕が出てきたけど調子悪かったしね」

大住「そうだね」

後藤「だから僕は、岩渕を前半で代えたほうがいいんじゃないかな、いや残しておくべきか、みたいなことを考えながら試合を見ていたけど。やっぱりあのチームは、岩渕が調子を落としちゃうと、どうしてもね……」

大住「最後のところで変化をつけられるというか、点を取るためには相手をいなさなくてはいけないんだけど、その役割は岩渕にしかできないよね」

後藤「そう。岩渕は相手を2人いなせるからね」

大住「これまでのなでしこジャパンのイメージで言うと、チームでいなしていたんだよね。今回の男子のオリンピック代表チームも、チームでいなしている。久保や堂安が注目されているけど、それが噛み合って、そこに違う選手が飛び込んできて。けど、今のなでしこジャパンはそれができない」

後藤「ここのところ、なでしこは強いチームと対戦できる機会がなかった。それで、岩渕が頑張って点を入れてくれたから良し、という風になっちゃった。このあとの試合を考えると、まずは岩渕が復調してくれるのが絶対条件だろうね」

大住「日本の試合を見ていると、ここを潰せばいい、というのがすごく分かりやすい」

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