■メジャー大会では史上初の状況を迎えた

 日本対メキシコ戦の直前に行なわれたフランス対南アフリカ戦は、フランスが勝利しました。この結果、勝点6の日本が首位、勝点3で得失点差がプラス2のメキシコが2位、勝点3で得失点差がマイナス2のフランスが3位となっています。

 フランス戦に臨む日本は、駆け引きができる立場です。

 相手は勝たなければいけないけれど、日本は勝点1以上でいい。勝点3を狙いつつ、相手を見てサッカーができる。そういう意味で、ゲームコントロールは過去2戦以上に大事になります。

 2試合目までの流れを継承して、前からいくのか。それとも、しっかりとブロックを作りながらいくのか。基本的にはやり方は変えないと思います。

 ただ、次は3戦目なので、お互いに2試合分の分析をして臨みます。相手のどこがストロングで、どこがウィークか。メキシコ戦は相手を分析して、選手がそれを遂行したことで勝点3をつかみました。中2日の連続で試合までの準備は回復がメインになると思いますし、トレーニングでの落とし込みも、前日の短い時間に限られるでしょう。それだけに、スタッフの分析と落とし込みのしかた、選手の理解力と実行力が大きなポイントになる。本当にこの過密日程のなかで選手、スタッフともに大変でしょうが、グループリーグ突破のためにも頑張ってほしいと思います。

 それにしても……グループリーグの3戦目をこういう形で、しかもフランスのような強豪国を相手に駆け引きできる立ち位置で試合を迎えるのは、メジャー大会では日本サッカー史上初めてと言っていいでしょう。とても価値が高いし、かけがえのない経験値を得られるだろうな、と思います。

 それもすべては監督以下スタッフと選手たちの努力と、それによって得られた結果によるものです。展開次第で駆け引きもできるフランス戦のような位置づけの試合を乗り切り、3連勝でグループリーグを勝ち抜いたら──本当にメダルが見えてくる、と思います。

(構成/戸塚啓)

なかむら・けんご  1980年10月31日東京都生まれ。中央大学を卒業後03年に川崎フロンターレに入団。以来18年間川崎一筋でプレーし「川崎のバンディエラ」の尊称で親しまれ、20年シーズンをもって現役を引退した。17年のリーグ初優勝に始まり、18年、20年に3度のリーグ優勝、さらに19年のJリーグYBCルヴァンカップ、20年の天皇杯優勝とチームとともに、その歴史に名を刻んだ。また8度のベストイレブン、JリーグMVP(16年)にも輝いた。現在は、育成年代への指導や解説活動等を通じて、サッカー界の発展に精力を注いでいる。

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