Jで最も見るべき選手「浦和の小泉佳穂」(3)あまりに美しかったJ初得点の画像
小泉佳穂 浦和レッズ対アビスパ福岡(埼玉スタジアム)2021年6月27日
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その小柄で金髪の選手は、Jリーグでも希有なプレースタイルの持ち主だ。完全な左右両利きなのだ。豊富な運動量でピッチのあちこちに顔を出してボールを受けてはさばき、左右両足から繰り出す長短のパスを自在に操ってチャンスを演出する。小泉佳穂はめざましい活躍によって、2021シーズン躍進を見せる浦和レッズの攻撃サッカーの欠かせない重要なピースとなった。日本代表でその奮闘を見る日もそう遠くはないだろう――。

■またたく間に浦和サッカーの不可欠なピースに

 今季、小泉は開幕のFC東京戦で先発、J1にデビューした。ポジションはトップ下。「緊張した」と語るが、前半5分には山中亮輔からパスを受けると左足のスルーパスで杉本健勇を突破させ、ゴールを決めさせた。副審は旗を上げなかったが、VARチェックでオフサイドとされ、得点は認められなかった。

 しかし後半29分、右CKを任された小泉はニアポストに走った明本考浩の頭に右足でピタリと合わせた。明本が流したボールを槙野智章がシュート、そのリバウンドを阿部勇樹が決めて浦和に待望の先制点をもたらした。小泉はその直後に交代、終盤に同点ゴールを許して1-1の引き分けに終わったが、スタートは上々だった。

 その小泉がどんどん存在感を増していく。ロドリゲス監督は過密日程になると大胆なターンオーバーをするが、小泉には絶大な信頼を寄せている。先発させなくてもベンチに置き、勝負どころで投入するのだ。5月22日の神戸戦(ホーム)、浦和は今季初めて小泉を先発から外した。しかしハーフタイム後に小泉を送り込むと、前半は圧倒されていた試合が一変、試合のテンポが上がって2-0の勝利をつかんだ。6月23日の柏戦もまったく同じだった。この試合では、5月にデビューしてまたたく間にエースとなったキャスパー・ユンカーとともに後半16分に投入されると、たちまち試合を変え、これも2-0の勝利に結びつけた。

 「小泉がいるときといないときでは試合が違い過ぎる。それをどう思うか」。ロドリゲス監督にこう質問をぶつけると、いつもストレートな回答をする監督には珍しく、言葉を濁し、「チーム全体で戦えている」などという話をした。それは、ロドリゲス監督自体が小泉を替えのきかない選手と認識している証拠だった。

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