■朴一圭と高丘陽平の抱擁
サポーター側からすれば、その条項の存在は複雑な心境にさせる。自分たちのホームスタジアムで別の色のユニフォームを着て戦っている姿を見たくはないという気持ちがある一方で、成長した姿を直接見るのが楽しみだという気持ちもあり、その機会が失われてしまうことを残念に思う。選手にとっても、保有元と対戦することでしか得られない経験や感情というものが必ずあるはずで、個人的にはその条項の存在はもったいないと思うのだが、チームの事情もあるので仕方がない。
しかし、期限付き移籍ではない形での選手の移動もサッカーでは多い。EURO2020でのクリスティアーノ・ロナウドとカリム・ベンゼマの再会が話題になったが、Jリーグでも毎試合のように様々な形の再会を見ることができる。
そんな中、横浜F・マリノスvsサガン鳥栖の試合後には朴一圭と高丘陽平の抱擁があった。
朴がマリノスから鳥栖へ移籍したのは昨年の10月25日、マリノスがACLの集中開催へ向かう前のことだ。ACLは外国人枠が3+アジア枠1で、マルコス・ジュニオール、エリキ、チアゴ・マルチンス+ティーラトンがそこに登録された。登録枠の関係で出場機会がなくなってしまう朴を期限付き移籍で鳥栖に貸した形だったが、シーズン後にそのまま完全移籍へと移行した。