■選手も指揮官も口にした「自信」

 浦和がこの試合で見せた進化は、この先制ゴールもその一つの表れだろう。リカルド・ロドリゲス監督が就任して以降のチームは、ビルドアップを追求してきた。その習得過程の中で選手の組み合わせを何度も試してきたし、ビルドアップを意識するあまり、相手チームの攻撃に飲み込まれることもあった。ところが、この試合ではボールがスムーズに流れた。

「チームとしてボールの動かし方が安定してきて、意図を持った形でボールを動かせている」と小泉が言葉に力を込めるのも、指揮官も「ポジショニングなどは成長している」と選手を称えるのも当然のことだった。

 そんなチーム状況で、なぜ“突然のゴール”が進化の表れなのか。

 ビルドアップを追求するチームは、そこを第一にし、点数が入らないと流れを逸してしまうこともあった。しかし、小泉のミドルはそれにとらわれないもの。状況を見ながら柔軟に対応したものだったからだ。ビルドアップできるチームがそれ以外にも得点できるとなれば、鬼に金棒だ。

 さらに後半の得点はセットプレーから生まれた。苦しい状況であってもセットプレーから点数を奪って逃げきるチームは、サッカー史でたびたび“強さ”の代名詞とされる。浦和はすでに点数を取っていたが、セットプレーからでも点数を取れることを示してみせた。事前準備を詰めていたからこその追加点だった。

PHOTO GALLERY ■【画像】浦和レッズーアビスパ福岡の写真全71枚■
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4