■名波新監督は松本をどう変える?

 名波新監督は、19年6月以来の現場復帰となる。

 二段階での立て直しが求められる。東京五輪前に組まれている23節までの4試合で、ひとまず結果を残す。そして、3週間強の中断を利用してチームを本格的に再構築していくのだ。

 焦点はシステムだろう。

 磐田を指揮していた当時の名波監督は、3バックでも4バックでも戦った。反町康治元監督が3バックを根づかせ、後継監督も基本的に継承してきた松本で、どのようなシステムを選ぶのか。

 言い方を変えれば、保有戦力をどのように生かすのか、ということである。攻撃については、まだ1試合しか出場してないルカオが戦列に戻ってくれば、彼を軸に組み合わせを考えることができる。

 磐田に先駆けて監督を交代したチームでは、モンテディオ山形ピーター・クラモフスキー監督のもとで6戦無敗(5勝1分)と一気に立て直した。長崎も松田監督の就任後は7戦無敗である。

 監督交代というカンフル剤が、すぐには成績に反映していないクラブもある。愛媛FC、大宮、SC相模原は、新監督の就任後も難しい戦いが続いている。

 保有戦力はそれぞれに異なり、クラブとしての経験値の違いもある。相模原はJ2初挑戦だ。監督交代の効果が表れるタイミングもまた、クラブによって変わってくるということなのだろう。

 現役時代のキャリア、カリスマ性、それに理論と情熱を兼ね備える指導者として、名波監督は現場で活躍するべき人材だ。松本をどのように変えていくのか、名波監督のチームマネジメントが注目される。

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