■オナイウのハットトリックがFW陣を刺激する
ふたつ目はオナイウ阿道である。
大迫勇也が3日のU-24日本代表戦後に負傷し(のちに離脱)、横浜F・マリノス所属の25歳は追加招集された。国際Aマッチデビュー戦となったセルビア戦で攻撃の起点となり、キルギス戦では初先発でハットトリックを達成した。わずか6分間での3連弾は“衝撃”とも伝えられたが、結果を残したことで彼自身が自信を深め、なおかつライバルへの刺激剤となった。
たとえば、今シリーズで2列目と1トップで起用され、決定機の数ほど得点を決められなかった浅野拓磨は、キルギス戦でチームの5点目を叩き出した。今回は招集されていない鈴木武蔵や東京五輪世代のアタッカー陣も、自らを発奮させているに違いない。
古橋亨梧も「半歩前」へ出た。2列目右サイドで先発したタジキスタン戦で先制点をあげ、南野拓実の2点目をアシストした。キルギス戦は後半途中から出場し、推進力のあるドリブルでカウンターの担い手となった。
ヴィッセル神戸に所属するこの26歳は、複数ポジションでプレーできる。キルギス戦の後半途中からは、3-4-2-1の2シャドーを任された。リスタートのキッカーにもなる。2列目は東京五輪世代も加わって激戦の様相が色濃くなるが、6月シリーズでアピールに成功したと言える。
同じ2列目では、坂元達裕がキルギス戦で初先発を飾った。右サイドからの仕掛けに意欲的だったが、得点への絡みは佐々木翔のヘディングシュートをアシストした右CKに限られる。候補者の多いポジションだけに、これまで同様に所属クラブでアピールを続けていく立場だ。