■「カウンターへ持ち込ませない」守備の重要性

 収穫は大きく分けて2つある。

 ひとつ目は、CBの選択肢が増えたことだ。

 11日のセルビア戦で、谷口彰悟がはっきりとアピールした。「こんなチャンスはなかなかない」と意欲を示したとおりに、1対1に激しく挑み、ビルドアップに細心だった。森保監督のもとで招集されてきた植田直通も、持ち味を出している。

 15日のキルギス戦では、昌子源中谷進之介が意識高くプレーした。ふたりが先発した試合は、7日のタジキスタン戦もキルギス戦も失点している。その一方で、どちらの試合も押し込まれる時間帯はほぼなかった。守備における対応については評価が難しいが、キルギス戦では不用意なファウルをおかさない対応を心掛けていた。

 今回の試合で守備陣に課せられたタスクは、自分たちがボールを保持している時間帯のリスクマネジメントだった。カウンターを許さない、ということである。最終予選のホームゲームでもポイントになるところで、もったいない反則を与えずに対応した昌子と中谷は、キルギス戦を今後へつなげることができるはずだ。セルビアを無失点に封じた谷口と植田のコンビも、同じ手ごたえをつかんでいる。

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