■格下に連勝もチームの姿勢は評価できる
5月28日のミャンマー戦から始まった日本代表の5連戦が、6月15日のキルギス戦で終了した。
ミャンマー戦でカタールW杯アジア2次予選突破を決め、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航がU―24日本代表に合流した。東京五輪世代の冨安健洋もチームを離れた。彼らと入れ替わるように、国内組を交えたチームが動き出す。「選手層の底上げ」へテーマが移った。
6月3日のジャマイカ戦は相手側の一部選手の来日が遅れ、急きょU-24日本代表と対戦することになった。コンディションが整っていないジャマイカよりも、”兄弟対決”のほうが緊迫感はある。
日本代表はプレッシャーを感じたはずだ。勝たなければいけない立場だからである。しかし、U-24日本代表が吉田、酒井、遠藤のオーバーエイジを先発から外すなど、2日後のU-24ガーナ代表戦を意識した選手起用となったため、日本代表にとっては選手のパフォーマンスをはかる機会に成り得なかった。
7日のタジキスタン戦と15日のキルギス戦は、格下との対戦だった。11日のセルビア戦も、攻撃陣に主力を欠いていた。FIFAランキングで日本を上回る東欧からの来訪者も、確実に倒すべき相手だったのである。
バックアップ層を見極める試合としては、率直に言ってどれも物足りない。ただ、こればかりはどうしようもできないことだ。与えられた条件のなかで、判断をしていくしかないだろう。
自分たちが力で上回る試合では、原理原則を確実に実行していくことが大切になる。攻守にハードワークする、球際で戦う、攻守の切り替えを早くする、強度高くプレーする、といったことに、どこまでこだわれるか。相手はともかく自分たちができることを、高い基準で見せていくのだ。
言い換えれば、チームとしての姿勢が問われる。この点については、評価できると考える。森保一監督も「目の前の相手と対戦しているが、高い目標、高い志を持って、選手たちが100パーセント出し切ってくれて、コンセプトはかなり浸透したと思う」と話している。