【J2TOP4「1」差バトル(1)】京都3試合連続ドローも“昇格請負人”チョウ・キジェ監督「必要な経験」【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
チョウ・キジェ監督(京都)   写真:松尾/アフロスポーツ

■今季3度目の無得点。新潟が3位に後退

 上位の勝点差が詰まってきた。14節終了時点では首位のアルビレックス新潟から4位のジュビロ磐田の間に、勝点7の開きがあった。それが18節終了時点では、首位の京都サンガF.C.から4位のFC琉球までが、勝点1差でせめぎ合っている。

 前節終了時点で首位だった新潟は、ファジアーノ岡山に0対1で敗れた。岡山が68分にあげた決勝点は、スロー映像で確認するとオフサイドに見える。パスを受けた瞬間の上門知樹のポジションが、新潟の最終ラインより前にあったのだ。

 新潟のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督は、「大きなミスだったと思います。あのプレーによって、試合が壊れてしまったと思います」と話した。選手たちの心情を慮れば、そう言わずにいられなかったのだろう。監督自身のやりきれない気持ちも理解できる。

 そのうえで言えば、今シーズン3度目の無得点に終わったことも、敗戦の一因にあげられる。後半アディショナルタイムに鈴木孝司のヘディングシュートがバーを叩くなど、運に見放されたところはあった。ただ、シーズン序盤の勢いは失われている。14節のFC町田ゼルビア戦からは、1勝1分3敗と苦しんでいる。京都とジュビロ磐田に勝点で抜かれ、3位に転落してしまった。

 相手に警戒されているのは間違いない。自分たちの強みを発揮しにくくなっているが、キャプテンの堀米悠斗は自分たちに矢印を向ける。

「判定どうこうもありますけれど、それ以前に、自分たちでできることがもっとあったんじゃないか」と話し、ブラウブリッツ秋田と対戦する次節については、「ブレずにいままでやってきたこと続ける。切り替えの速さや運動量が、少し落ちてきているかなと思う。目の前の1試合にすべてを出し尽くすところを、改めて全員で共有できれば」と続けた。

 このまま停滞期に突入してしまうのか。それとも、もう一度勢いを取り戻すのか。新潟は今シーズン最初の正念場を迎えている。

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