【CL決勝】チェルシーが9季ぶり戴冠!(1)大舞台での「グアルディオラの悪い癖」の画像
チェルシーが欧州の頂点に 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ 決勝 マンチェスター・シティvsチェルシー 2021年5月29日(日本時間28:00キックオフ)】

 プレミア勢同士の激突となった2020-21シーズンを締めくくる大一番で明暗を分けたのは、シーズン後半にやってきたことを信じたかどうか、という部分だった。
 
 シティのペップ・グアルディオラ監督は偽9番システムを採用して試合に臨んだが、いつもとは異なり、イルカイ・ギュンドアンをアンカーで起用した。インサイドハーフとしてゴールを量産し、チーム内得点王となった背番号8を中盤の底に配し、フィル・フォーデンを左サイドではなくインサイドハーフとして起用。その代わりに左にはラヒーム・スターリングが入った。

 フォワードのガブリエウ・ジェズスだけでなく、ボランチを務めるフェルナンジーニョ、ロドリといった選手たちが外れたが、この3人の起用方法がチェルシーの3バック(5バック)とプレスに対してグアルディオラ監督の用意した作戦であることは推測できた。

 トーマス・トゥヘル監督が率い、5バックになるチェルシーの守備に対し、ダイヤモンド型の中盤が流動的に動き続けることで優位に立ち、相手が食いついて後方のバランスを崩しかけたことでウイングがウイングバックと1vs1の状況で勝負する場面が生まれ、そこで上回って崩壊させる。という青写真のようだったが、残念ながら「策士策に溺れる」展開となってしまった。

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