今シーズンのヨーロッパフットボール界最強のチームが決まる。現地時間5月29日(日本時間30日午前4時)、UEFAチャンピオンズリーグ決勝が行われるのだ。
対戦するのは、9シーズンぶり2度目の戴冠を目指すチェルシーと、初優勝を狙うマンチェスター・シティだ。普段から顔を合わせ、互いをよく知るイングランド勢同士の激突だが、特別な一戦にどんな手を打ってくるのかは見ものだ。
■互いに尊敬し合う両監督
両チームの監督は、ライバルであり、敬意を抱き合う仲だ。チェルシーのトーマス・トゥヘル監督はシティのジョゼップ・グアルディオラ監督への尊敬を公言する。グアルディオラが率いていたバルセロナには、「この競技のすべてを教えてくれた。素晴らしいサッカーをしつつ、あらゆるものを勝ち取れるんだ、とね」と強い感銘を受けた。「彼の試合を見るたびに、サッカーに関する何か、あるいは新しい何かを学べるような気がするんだ」と話すトゥヘルのグアルディオラへの敬意は、崇拝とさえ言えるレベルだ。
一方のグアルディオラも、3歳年下のトゥヘルを高く買っている。バイエルン・ミュンヘンを率いている際には、マインツの監督として対戦したトゥヘルと、ミュンヘン市内のレストランで何時間もサッカーの戦術について語り合った。プレミアリーグ挑戦のためにバイエルンを去る際には、トゥヘルを後任候補として推薦したと言われる。
トゥヘルがドルトムントに移ってからも、なかなかグアルディオラのバイエルンには勝てなかった。だが、イングランドでの再開後、この数カ月で2度対戦し、トゥヘルのチェルシーが2勝している。ただしプレミアリーグ第35節での対戦は、CL決勝での顔合わせが決まった直後のことで、互いにメンバーを変えて手の内を隠した。2度目の対戦は一発勝負のFA杯準決勝で、チェルシーのカウンターが上回った。その2度の手合わせを踏まえての、ドイツでの智将対決の再現に注目が集まる。