■データで劣っても勝利するのは、J1昇格の必要条件
京都のチョウ・キジェ監督は、後半開始とともに2人を入れ替えた。52分には早くも3人目の交代をした。「フレッシュな力を使って勝点3を取りにいこう」という狙いで、プレーの強度を保っていく。
58分には京都が先制点を奪う。アンカーの川崎颯太が、ペナルティエリア外正面からゴール左下へ蹴り込んだ。昨年8月19日の新潟戦でJリーグ初出場を記録した19歳が、デビュー戦と同じスタジアムでの同じカードで、今度はJリーグ初ゴールをマークしたのだった。
京都がリードを奪ったが、試合の主導権まで掌握したわけではない。62分にカウンターから決定機を作り出すが、その後は新潟に押し込まれる。それでも、すでに8度のクリーンシートを記録している守備陣は、3試合連続の無失点で試合終了のホイッスルを聞く。京都が1対0で勝利を飾ったのだった。
両チームのシュート数は、新潟が13本で京都が5本だった。CKでも新潟が10対1と圧倒している。新潟のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督は、「我々はよりよいチャンスを作ってシュートへ結びつけていたが、得点は決められなかった。今日は相手が幸運に恵まれたのでは」と話したが、裏返しで考えれば京都の強さが現われた一戦である。
データで劣っても勝点3を逃さない試合をすることは、J1昇格を果たすチームの必要条件と言っていい。ピッチで戦う選手たちは最後まで集中を切らさず、チョウ監督は後半アディショナルタイムに2度の選手交代で時間を使った。新潟の攻めは迫力があったものの、京都は勝つべくして勝ったと言えるだろう。
決勝点を決勝点をあげた川崎は、「首位とか順位とかは気にせずに、次の甲府戦も戦っていきたい」と話した。一戦必勝のメンタリティで10試合負けなしとした京都は、勝点35で首位に立ったのだった。