現在、世界最高の監督と言っていいだろう。
ジョゼップ・グアルディオラ監督の率いるマンチェスター・シティが、チャンピオンズリーグ決勝を戦う。グアルディオラ監督にとっては、バルセロナで優勝した2010-11シーズン以来、10年ぶりのファイナルになる。
その圧倒的強さと美しさを備えたバルサをつくり上げたため、「賢者」とも称される名将。だが、実像はそのイメージだけに集約されるものではない。
■豪華な中盤より目を引く堅守
チャンピオンズリーグ準決勝のパリ・サンジェルマン戦のマンチェスター・シティを見て、「グアルディオラらしい」というイメージを強めてはいけない。
確かに、グアルディオラが送り出したスタメンは、中盤を重視したものだった。ケビン・デブライネ、ベルナルド・シウバ、フィル・フォデン、リヤド・マフレズ、イルカイ・ギュンドアン、フェルナンジーニョ/ロドリ・エルナンデスが共存した。セルヒオ・アグエロやガブリエウ・ジェズスがベンチスタートとなり、ストライカー型の選手はピッチにいなかった。
だが、「チキ・タカ」と呼ばれるパスワークで崩したゴールは、ひとつもない。得点はセットプレー、カウンター、ロングパスから奪ったものだった。むしろ特筆すべきは、ネイマール、キリアン・ムバッペ、アンヘル・ディマリア、マウロ・イカルディ、モイーズ・キーン、ユリアン・ドラクスラーといった豪華攻撃陣を擁するパリ・サンジェルマンを2試合で1ゴールに抑えた事実である。