■ペップのチキ・タカが「大嫌い」な理由

 バルセロナではリオネル・メッシアンドレス・イニエスタ、シャビ・エルナンデスを主軸にチームビルディングを行った。ブスケッツやペドロといったカンテラーノを重宝して、クラブの哲学を尊重しながら、勝利を得るという理想の道筋を立てた。

 バルセロナに在籍した4年間で、グアルディオラは14個のタイトルを獲得した。スペイン代表の黄金時代が重なり、チキ・タカ(パスサッカー)は世界的に大流行した。その成功は「グアルディオラ=チキ・タカ」という図式につながった。

 だが実際のところ、グアルディオラはその向きを好んでいない。「私はチキ・タカが嫌いだ。大嫌いだよ。チキ・タカというのは、パスのためにパスをするものだ。そこに意図はない。バルサのフットボールは、まったくもってチキ・タカではなかった! つくられたイメージだ。虚像にだまされてはいけない」とはグアルディオラの弁である。

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