■懐疑的な目を向けられたバルサBでのスタート
少し、時を遡る。2007年6月21日。グアルディオラが指導者として歩み始めた日だ。
彼の指導者キャリアは、地元バルセロナでスタートした。就任1年目で、バルセロナBをテルセラ・ディビジョン(実質4部)からセグンダ・べー(3部)に昇格させた。そのチームには、セルヒオ・ブスケッツやペドロ・ロドリゲスらがいた。しかしながら、バルセロナの歴史を顧みれば、監督であるグアルディオラを含め、さほどインパクトを残すチームではなかった。
ただ、幸か不幸か、バルセロナは暗黒時代に突入しようとしていた。2005-06シーズンにフランク・ライカールト監督の下でチャンピオンズリーグを制したが、ロナウジーニョ、デコ、サミュエル・エトーを中心にしたメンバーには限界がきていた。端的に言えば、ライカールト時代は2006年にピークに達し、それ以降は下り坂だった。
何かしらの変化が必要だ。そう判断したジョアン・ラポルタ会長は、グアルディオラの昇任を決める。当時、トップチームでの監督経験がないグアルディオラの就任は、大きなサプライズだった。周囲は彼に、懐疑的な目を向けていた。