■金メダルに向けて、揺るがない森保監督の覚悟

「グループ分けで大きく印象が変わることはない」

 4月21日、組分け抽選結果を受けて、森保監督はこう語った。

「厳しいグループだと思う。非常に力のあるチームと同じ組になった。1戦1戦、われわれのもっているものをすべてぶつけなければならない。しかしそれはどういう相手だからということではない。目標はグループ突破ではなく、決勝トーナメントにコマを進めて一つひとつ勝っていくということなので、厳しいグループを勝ち抜いて、目標である金メダルに向けて戦うという意味では、どの対戦国と同じグループにはいっても気持ちが変わることはない」

 3月のアルゼンチンとの2試合で、新たな力の台頭があった。Jリーグでは23歳から24歳になろうかという若手がぐんぐん伸びている。その一方で、アルゼンチン戦では、「欧州組」の積み重ねてきた経験も大きな力になることが実証された。昨年はU−23アジア選手権以後1試合もできなかったが、それ以前の豊富な海外遠征や「欧州組」の奮闘によって、現在のU−24日本代表は、これまでの日本のオリンピック・チームよりはるかに豊富な経験をもっている。森保監督は、オーバーエージの起用も、それも「日本代表の中心クラス」ということも明言している。

 6月、7月に行われる準備試合(親善試合)で、チーム固めをしなければならない。しかしU−24日本代表はメンタル面でも成熟期に近づき、やるべきサッカーはすでに浸透している。初戦から6試合、ひとつでも気を抜くことを許されない試合ばかりだ。だがそれはどんな組にはいっても同じ。その試練に立ち向かう準備のできた選手たちはそろっている。もう「死の組」などという表現は必要がない。

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