【J1分析】鹿島スピリッツを継ぐ上田、常本、荒木!「相馬体制無敗」継続の画像
上田絢世たちには「鹿島の伝統」が受け継がれている 写真:中地拓也

【明治安田J1リーグ 第11節 鹿島アントラーズvsヴィッセル神戸 2021年4月24日 17:03キックオフ】

 鹿島アントラーズの鈴木満フットボールダイレクターは、かつてサッカー批評のインタビューに、たとえ日本代表選手であろうとも、鹿島のカラーに合わない選手は獲得しない、と話したことがある。

 この日の鹿島には、そのスピリットを感じさせる選手たちがいた。しかも、次の時代を担う若者たちが、鹿島のDNAを表現していた。

 68分、殊勲者がピッチを後にした。その4分前にゴールを決めていた上田綺世である。

 力を絞り切り、得点という結果を労われて、というわけではない。もう、限界だったのだ。

 後半開始から10分後、空中戦で競り合った上田は腕から地面に落ち、右腕を痛めていた。その3分後にもゴール前で相手ともつれて倒れる場面があったが、ここで上田は右腕を脇腹につけたままのような状態で、まったく動かさずに立ち上がった。

 走っている間も、上田が右腕を動かすことはなかった。おそらく、相当の痛みを抱えながらプレーを続けていたはずだ。それでもピッチに立っている以上、仲間たちは上田を信じてボールを集め続けた。そして、上田はゴールという結果で応えた。

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