■15年ぶりのセレッソ復帰でいきなり爆発
この男に「個人昇格」の表現は似合わない。むしろ、鮮やかなカムバックと言うべきだろう。15年ぶりにセレッソ大阪に復帰した大久保嘉人だ。
16年を最後に、シーズン2ケタ得点から遠ざかっている。17年は8ゴール、18年は川崎Fと磐田で合計5ゴールにとどまり、19年はわずか1点に終わった。それが今シーズンはすでに5ゴール。
J2の東京ヴェルディに在籍した昨シーズンは、19試合出場で1点も決められなかった。ボールを大切にするチーム戦術のなかで、シュートチャンスが巡ってこない試合が多かったのは確かだ。1本もシュートを記録できなかった試合が「8」もあり、1本に終わった試合が「7」なのである。大久保のプレースタイルからすると、明らかに少ない。
C大阪ではどうか。3試合でシュートなしに終わっているが、そのうち2試合は前半だけで交代している。シュート5本で2得点した3月の川崎F戦のように、彼らしいリズムでプレーできる試合があるのは、昨シーズンとの明確な違いだ。
かねてから、「いいパスが来れば点は取れる」と話してきた。背番号10を背負う清武弘嗣、3月に日本代表招集を受けた坂元達裕(ケガで辞退)、両サイドバックの松田陸と丸橋祐介ら、大久保には多方面からラストパスが供給される。16年シーズン以来の2ケタ得点はもちろん、史上初となるJ1通算200ゴールも見えているはずだ。