■4月17日/J1第10節 横浜FC―ベガルタ仙台(ニッパツ)
19位のベガルタ仙台と20位の横浜FCがぶつかった“裏天王山”で、先手を取ったのは青いユニフォームだった。17分、MF瀬古樹が蹴った右コーナーキックをDF伊野波雅彦がフリックし、その流れをDF袴田裕太郎に押し込まれたのだ。今季の仙台が対戦相手から狙われているセットプレーで、しかも、今季何度も繰り返している試合序盤の失点を、重要な一戦でも繰り返してしまったのだ。
手倉森誠監督は、「上手くいかないことに焦れないこと」と指示を出したうえで、選手を一人交代した。左サイドの気田亮真に代えて、DF蜂須賀孝治を投入。前半は左サイドバックだった石原崇兆を左サイドハーフに上げて、蜂須賀を左サイドバックに据えたのだ。
前半の仙台は、左サイドでの攻守がなかなか機能しなかった。攻撃ではパスがつながらず、簡単にボールロスト。なんとかボールを奪っても、いい形でボールをつなげられず、苦し紛れに前に蹴り出す場面も見られた。指揮官はそこに手を打ったのだ。
1列前に上がった石原がシュートを放つなど前に出ようとしながらも試合を動かすには至らないとなると、57分、手倉森監督は勝負の交代カードを切る。2列目に入っていた加藤千尋と石原の2人を下げて、マルティノスとエマヌエル・オッティを同時にピッチに送り込んだ。オッティはチームに合流してまだ1週間。それでも、そのドリブルに懸けたのだ。