■マルティノスとは違うタイプのドリブラー
オッティはこの試合がJリーグ初めての出場であり、合流したばかりとあってサポーターもプレースタイルを知らないし、対戦相手である横浜FCも情報をほとんど持ち合わせていない。そんな状況で“お披露目”されたこのガーナ人ドリブラーは、仙台にとってポジティブな要素となった。
右のマルティノスも、左のオッティと同じくドリブルを武器とするが、両者はタイプが異なる。マルティノスがヌルヌルとしたドリブルを得意とするのに対し、オッティは重心が低く力強いドリブルだ。相手選手に強く寄せられてもビクともせず、さらに、筋肉質な下半身は跳ねるような足さばきを見せる。そのため、ショートパスのスピードも速く、対峙する相手にとっては意表を突かれてパスを通されやすい。
この試合の出場時間はまだ短く33分しかなかったが、少なくともこの時間ではドリブラー特有のボールの持ちすぎもなかった。むしろ、周りの選手とうまく絡もうとしており、左サイドでコンビを組んだ蜂須賀孝治とも、デビュー戦とは思えぬいい関係性を見せた。
前半、仙台の攻守を停滞させていた左サイドが、57分からはストロングポイントとなった。そのため、仙台はビハインドを克服するためにボール保持の際には左を使おうとした。横浜FCはその対応で仙台の左に重心を傾けたため、右では真瀬拓海がいい形でボールを持つ場面も増えた。