■4月17日/J1第10節 横浜FC―ベガルタ仙台(ニッパツ)
ともに未勝利同士の対決となった“裏天王山”を、ベガルタ仙台が劇的ドローに持ち込んだ!
0勝2分6敗の仙台が0勝1分8敗の横浜FCのホームに乗り込んだ一戦は、黒い雨雲の下で行われた。予報は雨。両チームを包む暗雲が、そのままスタジアム上空に現れたような天候だった。
勝ち点3を欲する仙台は、前節・横浜Fマリノス戦と同じスターティングメンバーをピッチに送り込んだ。優勝奪還を目指すトリコロール軍団を相手に0-0の引き分けに持ち込んだ粘り強い守備と組織を、そのままぶつけようとしたのだ。
ただし、ベンチにはFW登録の選手が前節より1人多い3人入った。古巣対決の皆川佑介、マリノス戦で出場時間が16分だったマルティノス、そして、これが日本で初めての公式戦登録となったエマヌエル・オッティだ。オッティは3月26日に日本に入国し、その後、14日の待機期間を消化。4月10日にチームに合流したばかりの助っ人だ。コロナ禍の影響で実戦から離れていたガーナ人ドリブラーのベンチ入りに、この試合に懸ける手倉森誠監督の“勝負”が表れていた。
試合は、両チームともに“平常”を保とうとする空気の中で始まった。決して気負うことなくこの一戦に臨もうとする緊張感が伝わる入りだったのだが、開始2分で仙台は“悪癖”を出してしまう。それは、開始早々に横浜FCに与えてしまったフリーキックの場面で表れた。MF瀬古樹が蹴った右足のボールを、ゴール前でDF袴田裕太郎に頭で合わせられてしまうのだ。