■4月11日/J1第9節 FC東京2―4川崎フロンターレ(味の素)
1万7615人が見守った37回目の「多摩川クラシコ」は、見事なまでの完敗だった。スコアだけ見れば、2点返したことをプラスに捉えることもできるが、それ以上の差を内容で見せつけられたから、「優勝」という目標が遠くに見えた。
そもそも、この試合で長谷川健太監督はいつもと違うシステムを用いた。青赤の代名詞でもあるソリッドな4-3-3を置いて、4-4-2を採用。その背景に、「(FC東京は川崎とは)がっぷり四つで戦えるほどの力はないと思っていた」という感情を持っていたことを試合後に明かしている。
日本代表DF小川諒也の背後を取った前半の2点は、試合開始から8分と17分のもの。あまりに早い失点に、ゲームプランは完全に崩されてしまった。
後半アタマからアダイウトンをその左に投入。前半に崩された左から試合をひっくり返そうとした強気の采配で、59分に追いついた。この瞬間、熱気を帯びたスタジアムが“逆転”の雰囲気を漂わせたが、その2分後に3点目を奪われた。この追加点で、試合は決まった。