■ワントップ杉本はハマらず
しかし、その武田にアクシデントが発生。前半9分、ボールを奪取しようと相手と競り合った際、左足を捻って負傷した。手を顔に当てながら武田は表情をゆがめ、担架に乗って運ばれた。浦和は一時的に10人での戦いを強いられ、その後すぐにピンチが訪れる。前半11分、徳島のMF渡井理己がゴール左隅の際どいコースを狙うが、ここはGK西川周作の好セーブで失点を防いだ。
一旦はピッチの外に出された武田の状態を確認していたが、試合続行は不可能と判断され、前半11分、前節の清水戦でゴールを決めたFW杉本健勇が武田の代わりに投入された。
杉本投入の直後は、1トップで先発したFW武藤雄樹が武田の位置に入り、杉本を1トップに置いたが、うまくはまらない。浦和は4-4-2のシステムに変更。2列目だったMF小泉佳穂が下がって伊藤とのダブルボランチに、杉本と武藤を2トップにした。
試合序盤のアクシデントによってフォーメーションを変えたことで、ゲームプランにも影響が出たのか、浦和の選手たちには焦りも見受けられた。徳島にボールを握られる時間が続き、攻撃に転じることができない。直近の鹿島戦や清水戦で見せた前線からの効果的なプレスも、うまく連携できない。選手同士の距離間やタイミングが合わず、ボールを奪ってもすぐに相手にセカンドボールを取られてしまう。
前半34分には相手の決定機が訪れる。高い位置でボールを奪われると、相手のFW垣田裕暉のペナルティエリア左からのボールに、FW宮代大聖が走りこんでシュートに持ち込んだが、ここは守護神の西川がしのいだ。さらに、39分、MF藤原志龍のシュートも西川は左手一本での好セーブを見せた。