■視線が迷う瞬間
昨年と比較して顕著に変わったのは、ボールを持ったときの“選手の視線の先”だ。映像や、あるいは客席から見れば分からないかもしれないが、ピッチで見ていると、鹿島の選手がボールを持った瞬間にどこにボールを出すべきか、視線が迷う瞬間を多々見た。その瞬間に、いろいろな選択肢が狭められているのも見た。映像で見ていれば、SNSで散見する「ミスが多い」という評価につながるが、その整理は、やはり、指揮官がすべきものだろう。
ザーゴと鹿島の関係は、札幌との試合で終焉した。結果は2点差を追いつかれての引き分け。試合後に「ちょうど来週は1週間ありますし、重点的に何が悪いのか取り組んでいきたい」と語っていた時間は、消え去った。
今後、鹿島がどのような歩みを見せるのか、そして、ザーゴがどこに新天地を求めるのか、両方が気になる。できればザーゴには、“らしさ”が薄いチームで指揮を執ってほしいという思いはある。そこでなら、しがらみのない新たな関係を築けるのではないだろうか。