ついに幕を開けた2021シーズンのJ1リーグ。大住良之と後藤健生、2人のジャーナリストが今季の展望、各チームのみどころを徹底的に討論。開幕節の深夜にかわされた熱い議論の行方はーー。
■「家長選手や田中選手はすごいね」
大住「川崎とマリノスの試合の家長昭博のヘディングには驚いたね」
―あのクロスは狙っているんですよね?
大住「そうそうそう、田中碧はすごいよ。田中碧だけチャンピオンズリーグのようなプレーだよね。パスのスピードとかもそうだし、スケールも大きいし」
後藤「ボランチもできるし、後ろから縦に長いパスを入れたらすごいよ。中村憲剛はスペースに出すけど、田中碧の場合は足元にピタッと出すからね」
大住「あのパスの鋭さは、今のJリーグで見るべきもののひとつだよね」
後藤「本当はミドルシュートをもっと打つといいんだけど」
大住「そうだね。ブラジル戦で見せたようなね」
後藤「川崎の試合前のアップのシュート練習を見ていたんだけど。去年はペナルテーィエリアに入ったところで、パス回しをしてシュートを撃っていたのが、今年はペナルティーエリアのラインのあたりから撃っていた。ちょっと遠くから撃とうという気持ちがあるのかと思ったら、試合になったらそうでもなかった」
大住「まあ、ペナルティーエリアの外からのシュートはサッカーでは入らないことになっているから。ラインを越えて撃って決めなきゃいけないんだよ。むかしオスカー(※往年のブラジル代表の名選手。日産自動車、京都サンガなどで監督をつとめた)が、このペナルティーエリアのラインの意味が分かるか、相手をこっから内側に入れちゃいけないって意味だ、って言ってた。その外でやらせる分にはいいんだけどね。それこそ仙台のレベルのキーパーがズラッと並んでいたら、なかなか外からのシュートは入らない」