■注目選手(1) FW:小川慶治朗(ヴィッセル神戸から加入)
小川は地元紙に対して、コロナ禍でファンとの交流がなくなったことで自らのメンタルの弱さに気づかされたことを明かしている。
応援してもらえることに甘えていた、と感じた小川は、契約延長やローンでの移籍を提案した神戸に断りを入れ、完全移籍の道を選んだ。神戸のユニフォームを着ることに憧れ、2018年に湘南ベルマーレにローン移籍をした経験こそあるが、ジュニアユースから神戸一筋でサッカーをしてきた男のその決意は並大抵のものではない。
試合中のスプリント回数ランキングトップ常連の小川は、よく走る選手、として広く知られているが、本人は得点への意欲を常々口にしている。
再起をかけて、根性を見せ、最後まで走り切り、結果を求め続ける。それは横浜FCサポーターが好むタイプの選手でもある。相思相愛の神戸とあえて離れることを選んだ小川だが、すぐに横浜でも愛される存在になるに違いない。
生え抜きの象徴という要素を抜きに、自らのプレーだけでサポーターの支持を獲得した時、神戸を離れてサッカー選手としてひと回り成長することを選んだ男の移籍はかけがえのないものになる。