ただし、その期待も諸刃の剣となりかねない。チェルシーでのジョゼ・モウリーニョのように、第2次政権がうまくいくとは限らないのだ。
戦力も十分とは言い難い。2人で昨季のチーム総得点の4割近くを占める14得点を挙げた長沢駿とアレクサンドレ・ゲデスが退団。第1次手倉森政権で4位になった2011年には赤嶺真吾(14得点)、2位になった翌年には赤嶺(14得点)とウイルソン(13得点)と、得点力あるストライカーがいた。だが今季の仙台には、これまでに2ケタ得点したFWはいないのだ。
昨季の「ボトム4」は、このように何かしら問題を抱えている。だが、前述したように、予測不能なのがJリーグだ。昨季上位だろうと、ずるずると下がってくるチームが出ないとは断言できない。
今季の降格ラインとなるのは、17位の勝ち点だ。昨季17位の仙台は、勝ち点28だった。1試合平均の獲得勝ち点は約0.8。最下位の仙台が勝ち点30、柏レイソルが同39を稼ぎながらも降格した2018年を除き、過去5シーズンで17位のチームの1試合平均獲得ポイントは0.8か0.9。今季も0.9だと仮定すると、17位は勝ち点34となる計算だ。この数値が残留と降格の分かれ目になる可能性は十分にある。
確かなのは、今季のJリーグも熾烈な争いが繰り広げられるということだ。