「過去最酷」今季J1「ボトム4」から脱け出すのは?(2)残留ラインは勝ち点34!?徳島、清水、仙台の「監督力」の画像
再びベガルタ仙台を率いる手倉森誠監督 撮影/中地拓也
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 今季のJリーグは、例年になく厳しいシーズンになる。コロナ禍における特異なシーズンとなった昨季は下位リーグへの降格がなかったが、その分、今季は20チームで戦うJ1から4クラブが去らねばならないのだ。

 前年の順位を当てはめれば、J2からの昇格2チーム、また昨季J1の17位、18位が現状での「ボトム4」となる。すなわち、下から順にアビスパ福岡徳島ヴォルティス湘南ベルマーレベガルタ仙台だ。

 ボトム4から抜け出すチームはどこなのか? 「戦力」と「監督力」で診断する。

■「戦力残留」+「アクシデント」の徳島

 徳島は初めてJ1を戦った2014年にはあえなく降格したが、今回は新たな歴史もつくっている。クラブ史上初となるJ2優勝という結果を引っ提げて、J1へと再び挑戦するのだ。

 新戦力はレンタルから完全移籍へ移行の杉森考起を除いて8人が加わったが、新卒選手を含めて若手が目立つ。とはいえ、年代別日本代表に入ってきた藤田譲瑠チマがおり、アルビレックス新潟本間至恩獲得に動いていたことも考え、未来を見据えた補強という意味合いも濃いのかもしれない。またそれ以上に、昨季の主力の残留に成功したことで、戦力的にはマイナスにはなったとは言えないだろう。

 ただし、悩ましいのが「監督問題」だ。昨季にJ2優勝へと導いたのは、2017年からチームを率い、2019年にはプレーオフ進出していたリカルド・ロドリゲス監督だ。チームの昇格の前に選手がJ1クラブへ引き抜かれて「個人昇格」していくなど、内容面でも評価は高かったが、浦和レッズへと引き抜かれてしまった格好だ。

 この引き抜きも想定内だったのか、同じスペイン人であるダニエル・ポヤトス監督を後任に据える動きは素早かった。だが、その後のアクシデントは、さすがに想定外だろう。新型コロナウイルス感染拡大のための緊急事態宣言により、来日できない事態が続いているのだ。

 監督交代は、ただでさえギャンブル的な側面を持つ。それなのに、不在のままでキャンプインとなれば、指揮官交代がはらむリスクは通常の比ではない。

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