■注目選手② MF:関口訓充

 苦しい時に頼りになるのは、いつの時代もこういう選手だ。
2004年にJ2時代のベガルタでキャリアをスタートさせ、J1への昇格も、震災の時の中心選手としての経験も、移籍をして外からクラブを見たこともある関口は、19年目のシーズンを迎える。

 2019シーズンが終わると、クラブは渡辺晋監督と別れることを選んだ。6年連続でベガルタをJ1の舞台にとどまらせた同監督の支持は選手からもサポーターからも高かったが、その関係は事実上の解任という形で幕を下ろした。関口はその際「生え抜きの選手としてベガルタ仙台のことを頼むな」と言われたことを明かしている。

 今シーズンはイサック・クエンカとマルティノスという両翼を組めることで、縁の下の力持ちの役割も多くなることが予想されるが、35歳という年齢は関係ない。ドリブルのキレも上手さもまだまだトップレベルだ。

 ベガルタがJ1にいることの重要性は痛いほど知っている。ベガルタをJ1に定着させた指揮官の想いも受け継いだ。苦しい時に頼りになるのは、こういう選手だ。

関口訓充選手 撮影/原壮史
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