その唯一無二の、まさに神のような存在は何ものにも代え難い。
何より、メッシがいなければ、現在のバルセロナはなかった。ロナウジーニョが愛され、シャビとイニエスタが史上最高の中盤を作り上げたが、メッシがいなければここまで多くのタイトルは獲得できなかったし、ここ10年強の世界中での爆発的な人気はなかった。
4年で700億円、という数字は、こうした金額では表せないものの価値をクラブがどう判断したのか、ということでもある。メッシ本人に対する非難は的外れだろう。もし批判されるのであれば、破綻している財政状況の中で判断を下した経営陣の方だろう。
ただ「史上最大のスーパースターの晩年」という、誰も経験したことのない状況では、何が正解なのかは誰にも分からない。後になって、何が正解だったのかも結局分からないだろう。
我々は、素直にそのプレーを堪能し、その姿をリアルタイムで見ることができることに感謝するだけでいい。
メッシ個人は「負けず嫌い」として戦っただけだが、結果的に、周囲の雑音に対してその存在の大きさ、そして価値を再確認させることになった。
変革のために招聘されたはずのロナルド・クーマン監督も、結局はメッシに依存している。その存在は、何ものにも代え難い。たしかなことは、それだけだ。
■試合結果
バルセロナ 2―1 ビルバオ
■得点
20分 リオネル・メッシ(バルセロナ)
49分 オウンゴール/ジョルディ・アルバ(ビルバオの得点)
74分 アントワーヌ・グリーズマン(バルセロナ)