そんな川崎に、2021シーズンは厳しい状況が待ち構えている。まず、ACLとJリーグと並行して戦う日程がその一つだ。昨季は国内大会のみに集中できたが、今季は国内外を飛び回らなければならない。昨季より2チーム多い20チームでのJ1リーグは、ただでさえ過密日程だが、そこに、アジアでの舞台が加わることで、選手層の厚い川崎といえど苦戦を強いられる可能性がある。

 また、各チームが“打倒、川崎”を掲げる中で戦わなければいけない状況もある。2020年は過密日程によって各チームの“川崎対策”が間に合わない中で戦うことができたが、今季は、チーム始動時から川崎対策を講じてくる上位チームもある。昨季より楽になるということはないはずだ。

 とはいえ、屈指のモチベーターであり戦術家である鬼木監督だけに、さらなる飛躍へ向けて対策を練っているはず。「JリーグとACLを同時に優勝したチームはない」と話すが、その言葉には「警戒」と同時に「挑戦」も感じられる。

 名将が、どのような方法で国内外を制覇しようと試みるかは見ものだ。

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