J2“激アツ”移籍市場(2)昨季クラブワースト15位!出直しの大宮は「背番号10」流出危機の試練【J2のミカタ特別編~21年「J1昇格」への選手補強査定<5>】の画像
黒川淳史(大宮アルディージャ)    写真:YUTAKA/アフロスポーツ
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■大宮の再建は岩瀬新監督に託された

 昨シーズンの大宮アルディージャは、失意に打ちひしがれた。就任2年目の高木琢也監督のもとで「J2優勝でのJ1昇格」をターゲットとしたが、ケガ人の続出に悩まされ、戦いかたも定まらずに15位に終わった。J2ではクラブワーストの成績である。

 フロントは高木監督の契約満了とともに、岩瀬健監督のもとで再建を図ることを選んだ。クラブのOBでもある45歳の指揮官は、18年にJ1の柏レイソルで2試合だけ采配をふるったことがあり、昨年は大分トリニータでヘッドコーチを務めていた。

 監督としてのキャリはほぼまっさらと言っていいが、西脇徹也強化本部長は、「新しい大宮を作っていくなかで、監督も我々とともに新しいキャリアを積んでいく方が必要」と説明する。経験と実績を重視した人選か、内部昇格が続いたこれまでから一転して、フレッシュな人材を登用した。

 編成は大幅に入れ替わった。

 ポイントは攻撃だ。昨シーズンの低迷の主因は、42試合で43得点に終わった攻撃にある。

 ストライカーでは戸島章松本山雅FC入りし、富山貴光ギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍した。一方で、ジュビロ磐田から中野誠也FC東京から矢島輝一が加入した。

 中野は昨シーズンのJ2で、キャリアハイの8得点をマークした。オフ・ザ・ボールの動き出しに長けた俊敏なタイプだ。

 矢島は187センチの長身ストライカーで、FC東京ではJ3のU-23が主戦場だった。クラブのレジェンドである金澤慎さんが着けていた「23」を背負う彼には、ゴール前で決定力を発揮することが期待される。また、FWでは年齢別代表に名を連ねてきた大澤朋也が、アカデミーから昇格している。

 外国籍選手は17年J2得点王のイバ、加入2年目のボスニア・ヘルツェゴビナ代表経験を持つネルミン・ハスキッチがいる。ともに昨シーズンは不本意な成績に終わっており、スタメン争いは横一線からのスタートになるか。

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