■大宮の再建は岩瀬新監督に託された
昨シーズンの大宮アルディージャは、失意に打ちひしがれた。就任2年目の高木琢也監督のもとで「J2優勝でのJ1昇格」をターゲットとしたが、ケガ人の続出に悩まされ、戦いかたも定まらずに15位に終わった。J2ではクラブワーストの成績である。
フロントは高木監督の契約満了とともに、岩瀬健監督のもとで再建を図ることを選んだ。クラブのOBでもある45歳の指揮官は、18年にJ1の柏レイソルで2試合だけ采配をふるったことがあり、昨年は大分トリニータでヘッドコーチを務めていた。
監督としてのキャリはほぼまっさらと言っていいが、西脇徹也強化本部長は、「新しい大宮を作っていくなかで、監督も我々とともに新しいキャリアを積んでいく方が必要」と説明する。経験と実績を重視した人選か、内部昇格が続いたこれまでから一転して、フレッシュな人材を登用した。
編成は大幅に入れ替わった。
ポイントは攻撃だ。昨シーズンの低迷の主因は、42試合で43得点に終わった攻撃にある。
ストライカーでは戸島章が松本山雅FC入りし、富山貴光がギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍した。一方で、ジュビロ磐田から中野誠也、FC東京から矢島輝一が加入した。
中野は昨シーズンのJ2で、キャリアハイの8得点をマークした。オフ・ザ・ボールの動き出しに長けた俊敏なタイプだ。
矢島は187センチの長身ストライカーで、FC東京ではJ3のU-23が主戦場だった。クラブのレジェンドである金澤慎さんが着けていた「23」を背負う彼には、ゴール前で決定力を発揮することが期待される。また、FWでは年齢別代表に名を連ねてきた大澤朋也が、アカデミーから昇格している。
外国籍選手は17年J2得点王のイバ、加入2年目のボスニア・ヘルツェゴビナ代表経験を持つネルミン・ハスキッチがいる。ともに昨シーズンは不本意な成績に終わっており、スタメン争いは横一線からのスタートになるか。