■生え抜きの10番・黒川の去就は?

 イッペイ・シノヅカらがチームを離れた中盤では、ボランチを主戦場とする選手が多く、2列目の選手がやや少ない印象がある。このため、横浜F・マリノスから期限付き移籍した松田詠太郎が、スピードを生かした突破力を武器に先発に食い込んでくるかもしれない。DF登録ながらMFとしてもプレーでき、左右両サイドに適応する馬渡和彰も、中盤で起用される可能性がありそうだ。

 4バックのサイドバックもやや手薄な印象がある。このため、オールラウンダーでプレスキッカーにもなれる馬渡は、どのようなシステムでもキーマンのひとりにあげられる。

 気になるのは黒川淳史の去就だ。昨シーズンのチームでアカデミー出身選手初の「10」を背負い、チーム最多の7得点をあげた22歳は、ポーランド1部のレヒア・グダニスクからオファーを受けている。クラブ側は本人の意思を尊重する姿勢で、チーム始動後の練習にも参加していない。

 

【補強充実度】  B 

選手の入れ替わりは例年より激しいが、そもそも保有戦力の質と量はJ2のトップクラス。多くの新戦力を獲得しなくても昇格争いに参加できるレベルにあるが、4バックの場合はサイドバックを本職とする選手が少なく、ケガ人が出た場合に不安が残る。

【J1昇格本気度】  B 

岩瀬新監督は勝利への強いこだわりを口にするが、その招へいには中期的な視点に立ったチーム再建という狙いがありそう。今シーズンはJ1昇格を狙いつつ、昇格後にJ1に定着できるチーム作りの1年目、という位置づけにも映る。黒川が移籍した場合の対応(彼に代わる選手を獲るのかどうか)からも、本気度がはかれる。

【J1昇格可能性】  B 

得点力アップへの道筋をつけることが大前提。2ケタ得点をあげる選手が出てくると、可能性は高まってくるが。

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