■栄冠にふさわしい川崎の戦いぶり

 決勝戦についても同様なことが言える。G大阪も最終盤での反撃を見せて善戦したが、ゲームを支配したのは明らかに川崎であり、決めるべきところで決めるのもやはりリーグ戦優勝チームの方だった。序列通りの天皇杯だったと言っていいだろう。

 こうして、天皇杯全日本選手権大会の覇権は川崎フロンターレが握った。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で超過密日程となったJリーグ。そんな中で「人よりボールを動かすサッカー」を極め、さらに選手層の厚さというアドバンテージを生かしたことによって川崎が圧倒的な強さを発揮したシーズンの締めくくりにふさわしいエンディングだったと言えるだろう。

 唯一の心残りは、最後の晴れ舞台で中村憲剛の雄姿を見られなかったことか……。 

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