■まだまだ続くスタジアム建設計画への期待
サンガスタジアムも完成してみると、いくつかの小さな問題点はあったようだ。
とても見やすい記者席なのだが、前列の席に行くための階段が両端にしかないので遠回りをしなければならないし、記者席は照明が暗いにもかかわらず手元を照らす照明がついていなかった。また、聞くところによるとマッチコミッショナー用の席がなく、記者席の一部を転用しているのだともいう。
日本では各地に球技(サッカー)専用スタジアム建設の計画がある。長居球技場を改装した「ヨドコウ桜スタジアム」は間もなく完成の運びとなるし、広島や長崎などでも新サッカー場建設計画が進んでいる。
これまでに建設されてきた各地の球技(サッカー)専用スタジアムにはそれぞれ特徴があり、メリット、デメリットがある。そうした各スタジアムの使い勝手についての情報を共有化し、スタジアムを使用するクラブ関係者やメディア関係者、一般のサポーターなどの声を蓄積して、将来の新スタジアムの設計に反映させていくことによって日本のスタジアムのレベルは上がっていくはずだ。
スタジアムが良くなれば、間違いなく試合のレベルも上がる。試合が面白ければスタジアムに足を運ぶファン・サポーターの数も増えるし、新しいスタジアム自体が集客を増やすこともある。今後、建設される新しいスタジアムがより快適で試合が見やすいものとなっていくことを祈りたい。そうなれば、僕が「ピッチが見えないスタジアム」という悪夢にうなされることもなくなるだろう……。