■カンセキにはサッカー取材用のデスクも
これに対して、取り壊された旧国立競技場はスタンドがトラックのすぐ外側まで迫っていて、コーナー付近もスタンドがカーブしていて、「スタンドを少しでもピッチに近づけよう」という工夫がなされていた(新国立競技場でもスタンドはピッチからそれほど遠くない)。
カンセキスタジアムではトラックの外に大きなスペースが取られているから、試合が見やすいスタジアムではない。ただ、とくに2階席はかなりの傾斜があるので俯瞰的に試合を見られるようにはなっていてくれる。そして、トラック種目のゴール地点付近に陸上競技用の記者席が設けられているのとは別に、メインスタンド2階中央付近にサッカー用のデスク付き記者席が設置されているのは、新しい試みとして注目される。
カンセキスタジアムで特筆されるのは、サンガスタジアムと同様にスタンド後方、ゲート内側のコンコースに多数のトイレが設けられていることだ。やはり、ここでも観客はゲートをくぐらなくてもすぐにトイレを利用できる。Jリーグのライセンスを巡ってはスタジアムのトイレ改修が大きな課題となる例が多いが、その点、サンガスタジアムとカンセキスタジアムではトイレ問題を見事に解決して見せたということになる。