J1昇格争い決着!(1)年間25勝目、首位・徳島の「動じない継続性」と3位・長崎の痛恨「9月失速」【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
リカルド・ロドリゲス監督(徳島ヴォルティス)
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徳島がホームで2位以内を確定!

 長く険しい道のりを経て、徳島ヴォルティスアビスパ福岡が歓喜をつかんだ。

 全国的に厳しい寒波に見舞われた12月16日、J2リーグ第41節が行われた。首位の徳島ヴォルティスは、14位の大宮アルディージャをホームに迎えた。

 39節の水戸ホーリーホック戦を0対1で落とし、40節のジェフユナイテッド千葉戦もスコアレスドローで終えた徳島だが、彼らには頼もしいデータがあった。3試合連続で勝利から遠ざかったことは、今シーズン一度もないのである。

 果たして、21分に垣田裕暉がゴールをこじ開ける。右サイドの浜下瑛のクロスを、ヘディングで合わせたのだ。

 前半のうちにリードをとったことで、ゲーム運びには余裕が生まれた。リカルド・ロドリゲス監督が「選手たちは自信をもってプレーしていた」と話したように、自分たちで主導権を握るいつものサッカーが展開されていく。大宮が前線からプレスを仕掛けても、落ち着いて剥がすことができていた。

 徳島は失点がリーグで2番目に少なく、今シーズンの大宮は得点力に課題を抱えてきた。リカルド・ロドリゲス監督のチームが、崩されるとは考えにくい。追加点は奪えなかったが失点を喫することはなく、1対0のまま試合終了のホイッスルを聞いた。

「選手たちは自分たちの力でこの試合をモノにしてくれた。昇格に相応しい活躍をしてくれたと思う」

 試合後のロドリゲス監督は、プレッシャーをはねのけた選手たちを讃えた。3試合ぶりの白星で今シーズン25勝目をマークした徳島は、自力で2位以内を確定したのだった。13年の昇格はプレーオフを制してのものだったから、レギュラーシーズンでJ1への切符をつかんだのは初めてになる。攻守のバランスに優れ、戦術的に洗練されたこのチームの昇格は、ロドリゲス監督のもとで継続性を大切にしてきたことを含めても、納得できるものだった。

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