■長崎が勝利を逃し、福岡に歓喜が訪れた
前節まで2位のアビスパ福岡も、歓喜を呼び込んだ。
長谷部茂利監督が率いるチームにとって、21位に低迷する愛媛とのアウェイゲームは難しいものではない。19分に山岸祐也が先制弾を浴びせ、前半アディショナルタイムには遠野大弥が左足でファインゴールを突き刺す。遠野は3試合連続のシーズン11点目だ。
失点がリーグでもっとも少ない福岡にとって、愛媛相手の2点差はセーフティリードと言ってもよかっただろう。しかし、得失点差で徳島と3位のV・ファーレン長崎に劣るチームは、後半もアグレッシブに得点を狙っていく。追加点をあげることはできなかったものの、2対0できっちり試合をまとめた。
アウェイの地で勝利をあげてから数分後、福岡に歓喜が訪れる。3位の長崎が4位のヴァンフォーレ甲府と、1対1で引分けたのだ。
【41節終了時点の上位3チームの勝点】
徳島:勝点84
福岡:勝点81
長崎:勝点77
福岡と長崎の勝点差は「4」となり、残り1試合でその差は詰め切れない。福岡は昇格プレーオフで優勝した15年以来、通算5度目となるJ1昇格を決めたのだった。
長崎との勝点差は1勝1分に相当する「4」だが、福岡の戦いぶりは昇格にふさわしい。
シーズンの入りは必ずしも良いものでなく、11節から13節に3連敗を喫した。しかし、9月5日のレノファ山口戦から10月18日のザスパクサツ群馬戦まで12連勝を記録し、その前後合わせて15試合不敗で一気に昇格圏内へ躍り出た。
徳島にはアウェイで勝利し、長崎とは1勝1敗で、4位の甲府戦も1勝1分け、5位のギラヴァンツ北九州戦はシーズンダブル(連勝)と、上位相手にも勝点をあげてきた。シーズンを通した安定感という意味で、9月に8試合勝利から遠ざかった長崎との違いを見せたと言うことができる。