■徳島が4試合ぶり黒星!J1昇格は持ち越しに
大きなものをつかみかけている当事者たちが、いよいよプレッシャーを感じてきたのか。
失うもののないチャレンジャーが、意地を見せつけたのか。
J1昇格争いの行方は、なお予断を許さない。
前節終了時点の上位3チームの勝点は、以下のとおりだった。
1位:徳島ヴォルティス 勝点80
2位:アビスパ福岡 勝点74
3位:V・ファーレン長崎 勝点70
12月6日に行なわれた第39節で徳島が勝点3を積み上げると、3位の長崎が勝っても勝点差は「10」のままだ。残り3試合での逆転は不可能となり、徳島の2位以内が確定する。引分け以下に終わっても、長崎の結果次第で徳島に歓喜が訪れる。
しかし、試合後の徳島の選手たちが、拳を突き上げることはなかった。
12位の水戸ホーリーホックに、アウェイで0対1の敗戦を喫したのである。
勝敗のポイントは前半5分にあったかもしれない。右サイドバックの岸本武流が、ペナルティエリア内までカットインして左足シュートに持ち込む。コントロールされた一撃はGKのセーブを許さなかったものの、左ポストに嫌われてしまった。
ギラヴァンツ北九州を4対1で退けた前節は、開始6分に先制点をマークしている。最終的に4対3の撃ち合いとなった前々節も、開始7分に先行した。
先にスコアを動かせば、相手は守備重視でいられない。どこかで前へ出てくる。心理的な負担も和らぐ。「点を取らなければ」という思いから解放される。岸本のシュートが、ほんの少しだけ内側を叩いていたら──試合の展開は変わっていたはずだ。
勝敗を分けたもうひとつのポイントは、69分のPK失敗だ。ペナルティスポットにはここまで16得点の垣田裕暉が立ったが、相手GK牲川歩見にセーブされてしまった。後半終了間際には途中出場の河田篤秀が決定機を迎えたが、これは左ポストに阻まれてしまった。