■1戦必勝でJ2優勝も視野に
徳島は、この試合では三つのシステムを使い分けた。後半開始とともに佐藤をベンチに下げ、4-4-2から4-2-3-1とする。3対1とした直後には、3-4-2-1の立ち位置を敷いた。守備の局面では5-4-1である。
試合後のリカルド・ロドリゲス監督は、「選手たちの特徴を生かせたのが大きかった。前半と後半でやることが変わりましたけど、選手の特徴をうまく生かせたことがこの試合では大事だった」と振り返った。前半はロングボールを効果的に織り交ぜ、後半はパスワーク主体へ切り替えた戦いぶりに、指揮官は「選手たちが賢くプレーしてくれた」とも話した。
勝点を「77」から「80」に伸ばした徳島は、3位のV・ファーレン長崎との勝点差を「10」とした。徳島が次節の水戸ホーリーホック戦に勝利すると、長崎が勝っても勝点10差は変わらず、残り3試合での逆転は不可能となる。つまりは2位以内が確定するわけだ。
水戸相手に勝利を逃したとしても、残り4試合で勝点3を加算すれば2位以内を譲ることはない。プレーオフで昇格した13年以来の歓喜が、いよいよくっきりと輪郭を帯びてきた。
ロドリゲス監督は「これまでやってきたことを、続けていくことに変わりはない。チャンピオンになるという目標を掲げている以上、自分たち自身との戦いになる。謙虚に戦っていきたい」と話す。背番号10を背負う渡井も、「1試合、1試合、勝点3を積み上げて、地に足をつけてプレーしたい」と語る。J1昇格だけでなくJ2制覇を見据えるチームは、ここにきてもなお1戦必勝のスタンスを崩さない。それこそが、徳島の強さなのだろう。