■「後半は調子が悪かったね」
後藤「そうだね、伊東もすっかり走れなくなっていたし」
大住「伊東も疲れていた、鎌田も疲れていた。疲れているなら代えなよって思っていたら、しばらくしたら交代になったけどね。鎌田なんて、前半ならヒョイとかわすような場面も、後半にはコテンと取られているし。交代が6人できる親善試合なら良いけど、本番では代えられないし」
後藤「しかも相手のメキシコは中2日なんだからね」
大住「そこが気になったね。全体に動きが落ちて、その結果、何もできずに後半45分って感じだった」
後藤「前半に点を決めておけば、後半はああいうことにならなかっただろうし。あれだけチャンスを作っていた中で点を取れなかった、という事になると、試合はひっくり返りますよね」
大住「特に、最初の武蔵のやつは取らないとね」
―前半15分あたりで原口からのパスをフリーで受けた。ダイレクトでは打てなかったですかね。
大住「別にダイレクトで打たなくてもいいけど、キーパーが飛び込んでくるんだから、チョンと浮かせれば入りそうなものだけどね。あそこの3つ4つチャンスがあったところで、決めきれなかったのが残念。
28分にバンバンと中央で繋いで、右の伊東に出して、伊東が速いクロスを送って、というシーンがあったよね? あれも素晴らしい攻撃だったんだけど、あの時のメキシコの守備に僕はすごく感心したな。
すごく忠実で、穴を作らないというか。日本は3人が走りこんでいたんだけど、まったくフリーになれなかった。だから、本当にメキシコはしっかりしたチームだなって。あの辺でメキシコの本領を見たなという感じが、今日の試合ではしたね」
後藤「チャンスを作っている中で、相手がしっかり守っていて、そういう状況の中で小さなすき間を見つけて、遠藤が武蔵にくさびを入れたところから繋いで、非常にいい攻めをしていたもんね」
大住「あの攻めは一番きれいな攻めだったんだけどね。クロスも雰囲気としては悪くなかった、ちょっと合わなかったところもあるんだろうけど、本当にメキシコの守備がきれいについていたから、びっくりした。あの辺で少し乱れそうなものなんだけどね。ベルギーあたりだったら乱れていたかな?」
後藤「ハハハ」
―伊東のクロスは思った通りに蹴れているような、気持ちいいものでしたが。
後藤「前半の伊東は、本当に素晴らしかったね」
―伊東は右アウトフロントでの、武蔵のあとに続いたシュートも凄かったですね。(ギジェルモ・)オチョアに止められてはしまいましたが。
大住「あのシュートは良かったね、2発目のやつ。だけどサッカーはあれを決めるか、決めないかで、全然違ってくるわけで」
後藤「あれだけ、チャンスを作って決められないのはね。たまたまこの試合だけ、ということじゃないからね、パナマ戦だって、内容で言えば3点取ってもおかしくなかったのに、PKでの1点だけだったし。ちょっとこれは重症かもしれないですね」