■安定した守備のFC東京、充実したベテラン勢のヴィッセル神戸

 Jリーグというのは、前にも述べたように(アジアのレベルの中では)戦術的に非常に緻密なサッカーをするリーグだが、同時に様々な戦い方をするチームがあることも大きな特徴だ。

 とくに、今シーズンのACLに出場する3つのチームは、それぞれがかなり個性的だ。

 横浜FMは両サイドバックが攻撃的な役割を果たすなど超攻撃的サッカーをするチームだが、FC東京は伝統的に安定した守備を特徴とするクラブだ。現在のチームも、渡辺剛の成長によって森重真人とのセンターバック・コンビの安定感は抜群だし、日本代表室屋成は海外移籍で抜けたものの中村拓海中村帆高の2人の中村が高いレベルで右サイドバックの後継者争いをしている。橋本拳人の海外移籍でMFはやや手薄となったが、前線には好守にハードワークを厭わないディエゴ・オリヴェイラとスピードが持ち味の永井謙佑が存在感を見せている。最近の永井は得点感覚も磨き上げられ、ゴール前での落ち着きが目につく。安定した組織的な守備と前線での「個」を生かしたのがFC東京のスタイルだ。

 一方、ヴィッセル神戸はなんといってもアンドレス・イニエスタのチームだが、両サイドバックの酒井高徳(左)、西大伍(右)とセントラルMFの山口蛍というベテラン3人が攻守にわたってじつにクレバーな動きを見せている。とくに、酒井とイニエスタの関係性は素晴らしいものがある。

 こうした日本のクラブの多彩さも、アジア諸国には大きな印象を与えることだろう。

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