■Jリーグの3クラブに、圧倒的な有利な条件
さて、発表になった日程を見ると、Jリーグを代表して参戦する日本の3クラブはかなり有利な立場に立って戦えることが分かる。
つまり、日本の3クラブはすでに第1節、第2節を消化し、しかもそこで勝点を稼いで首位を確保できているのだ。これに対して、中国のクラブはいずれもまだ1試合も戦っていない(2月当時は、世界で最も新型コロナウイルスの感染が拡大していたのは中国だった)。
日本の3クラブは、11月24日と25日に行われる第3節がカタールでの初戦となり、その第3節および第4節では中国のクラブと対戦する(FC東京は上海申花と、ヴィッセル神戸は広州恒大と、そして横浜F・マリノスは上海上港とそれぞれ対戦)。そして、中国のチームは第1節、第2節の試合が未消化なので彼らにとって第3節の試合は中2日での3連戦目となるのだ。
日本の3クラブはこの第3節に向けて現地で調整して戦えるのだから、コンディション的に有利な立場となる。しかも、対戦相手の中国クラブの試合を2試合とも現地で偵察してから対戦できるのだ。
例年の大会でも「第3節、第4節の2試合はグループリーグで最も大事な試合」と言われている。その第3節、第4節で、今回は“最大の敵”とも言える中国のチームと“絶対有利”の立場に立って戦えるのである。
まず、この第3節、第4節が最大の山場となる。すでに首位に立っている日本のクラブがそこで勝点4以上を積み重ねることができれば、グループリーグ突破に王手をかけることができるはずだ。
もし、最終節を待たずに「首位通過」を決められれば、最終節では主力選手を休ませて決勝トーナメントに備えることもできる。
11月から12月にかけての冬場のカタールは気候的にもサッカーをするには最高の環境にあり、また2022年ワールドカップのために新設・改修されたスタジアムのコンディションも良好なはず。通常の年のACLだったら、移動や気候の変化、そしてピッチコンディションの良し悪しに悩まされることが多いし、Jリーグと並行しての戦いとなる難しさもある。だが、今シーズンのACLはそうした悪条件に左右されることなく戦える。そこでしっかりと実力を発揮できれば、日本のクラブによる上位独占も不可能ではないだろう。
Jリーグを代表して戦う3クラブの健闘に期待したい。