■上昇しつつある横浜FMの攻撃力

 2020年の2月に行われたACLグループステージの第1節、2節では、日本の3クラブは合計で6試合戦って5勝1分0敗という好成績を収めた(従来、日本のクラブは国内リーグ開幕前に行われる第1、2節の成績が悪かったことを考えれば、これは画期的なことだ)。

 とくに横浜FMはアウェーで全北現代(韓国)、ホームでシドニーFC(オーストラリア)を破っているが、どちらも完勝だった。全北戦はスコアこそ2対1だったが、内容は圧倒していたし、シドニーFCに至っては横浜FMの変幻自在なポジションチェンジについていけず、まったくなす術もない状態で横浜FMが4対0で圧勝した。

 幸いなことに、Jリーグでも横浜FMは復活の兆しが見えるようになってきた。得点力も回復してきたし、またサイドバックの裏を狙われるという弱点についても、サイドバックが攻撃に出て行くべき場面と攻め上がりを自重すべき場面を見極めるなどうまく対処ができているようだ。

 10月21日の名古屋グランパス戦では、横浜FMはローテーションによって大幅にメンバーを変更しながらも、狙い通りの攻撃的なサッカーをスムースに実行して快勝した。ACLでの連戦を考えれば、選手層の厚みも必要となる。そうした意味で、あの第33節の名古屋戦は大きな意味を持つような気がする。

 昨シーズンのJリーグチャンピオンとしてACLに参戦する横浜FMには、その超攻撃的なサッカーをアジア諸国に見せつけてほしい。

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