2020年のJ2リーグ前半戦を首位で折り返したギラヴァンツ北九州の強さは、徳島ヴォルティス、水戸ホーリーホックに次ぐリーグ3位の得点を記録している攻撃力にある(23節終了時点)。14勝のうち13勝が複数得点を記録しての勝利だ。
現在、2位につけるギラヴァンツは攻撃力がクローズアップされがちだが、実は守備も固い。クリーンシートは7試合を数える。小林伸二監督に鍛えられた選手たちは、攻撃でも守備でもハードワークができるのだ。
単独インタビューの後編では、今シーズンのターニングポイントとなった試合が明かされる。
──J3からJ2へ4シーズンぶりに復帰したシーズンで、リーグを牽引する立場となっています。
「これは本当にびっくりで、当初10位を目ざしていました。2月の開幕戦でアビスパ福岡に、プレッシャーはかかるけど点が取れない、という展開で0対1で負けました。6月の再開初戦もV・ファーレン長崎に負けた。次の3節はFC琉球と戦う。琉球は去年J2に昇格したチームで、ここで勝てないとシーズンそのものがなかなか難しくなる、というのは正直あったんです。長崎戦からの1週間は勝点を取りたい、点を取りたい、でも守るのではなく積極的なサッカーでどうにかならないか──積極的な自分と怯える自分が入り交ざっていました」
──それは意外です。長崎戦の後半はかなり押し込みましたので、あのタイミングで手応えをつかんでいるものと思っていました。
「長崎戦の後半だけを見ると、プレスがなじんでくるとテンポ良くサッカーができる。我々がやっているサッカーがハマると強くなるんだけどな、負けなくなるんだけどな、というのはありましたが、琉球相手に4点も取れたのが本当に自信になりました。それから、コロナ後の選手を5人代えられることを生かして、積極的に選手をまわしていくといいようになるかなと、合わせて感じ取ることができました」