■“今、何ができて、何ができないのか”

──シーズン序盤は選手たちにどんな声をかけていたのですか?

「J2の経験がないのだから、思い切ってやろうよ、と。未経験の舞台で戦っていかなくちゃいけないのだから、とにかく90分間思い切りやり切って、終わった後に考えればいいよ、と。いつもチャレンジしよう、とも言いましたね。僕も割り切っていました。“これができないとダメだ”ではなく、“今、何ができて、何ができないのか”を見ることが大事だと」

──「自分たちはチャレンジャーだ」という言葉は、小林監督だけでなく選手たちからも聞かれます。この姿勢は後半戦も変わりませんか?

「変わりません。そこをちゃんとやらないと、簡単にやられます。引きずり降ろされます。自分たちが前半戦で1位になったということは、相手はモチベーションが高く臨んでくるということ。そこで気持ち的に構えちゃう、受けにまわっちゃうと負けますし、2連敗、3連敗というはザラにあります。J2を長く見てきて分かっていますが、ラスト10ゲームで1位とか2位にいるチームが“J1へ行ける”と意識したら、簡単に引きずり降ろされます」

──シーズンの最終盤はもう、メンタルの勝負ですね。

「これからは自分たちの色を全面的に出してくるチームよりも、首位チーム、上位のチームを研究してくる相手が増えてくる。難しいところが出てきます。ですから、常にチャレンジする姿勢は大事です」

 

 

小林伸二(こばやし・しんじ)

1960年8月24日、長崎県出身。1983年~90年、マツダSC(現サンフレッチェ広島)での選手生活を経て、指導者転身。1995年、サンフレッチェ広島ユースを率いてJユースカップ優勝。その後、若手選手の指導力を評価され福岡、大分のサテライト監督を歴任。2001年6月、大分のトップチームの監督に就任すると、翌年J2で優勝し、大分のJ1初昇格に貢献。2004年7月にセレッソ大阪監督に就任。2007年はアビスパ福岡のチーム統括グループ長に就任。2008年、モンテディオ山形の監督に就任し、クラブ史上初のJ1昇格を果たす。2012年、徳島ヴォルティスの監督に就任し翌年、クラブ史上初のJ1昇格を果たす。2016年、清水エスパルスの監督に就任し、1年でのJ1復帰に貢献する。2019年、ギラヴァンツ北九州の監督兼スポーツダイレクターに就任。1年でJ2昇格を成し遂げる。

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