■9月23日/J1第18節 神戸―鳥栖(ノエスタ)
トルステン・フィンク監督が電撃辞任し、スポーツダイレクター(SD)を務める三浦淳寛が新監督になることが発表された神戸。鳥栖戦ではマルコス・ビベスコーチが暫定的に指揮を執るなど、激動の中にいる。
そんな神戸を鼓舞するかのように、百戦錬磨のMFアンドレス・イニエスタが驚きのゴールを決めて見せた。 それは、1対1で迎えた20分のことだ。FW古橋亨梧が左サイドでボールを奪い、ドリブルで駆け上がると、ペナルティエリア外の左から中に短いグラウンダーのパス。そこにランニングしてきたのがMFイニエスタ。右足で古橋からのパスを受け取ると、そのまま速度を速めるでも遅くするでもなく前進。神戸から見てゴールエリアの左手前角よりも前進した位置から左足を振りぬいたのだ。
このとき、イニエスタには元日本代表の高橋秀人がついていた。イニエスタが左足を振りぬくと、高橋は必死に足を伸ばしたがクリアできない。むしろ、イニエスタのシュートに少し足が当たったことが、シュートをゴールキーパーにとってより難しくし、ボールはゴールネットを揺らしたのだ。
鳥栖のゴールキーパー守田達弥は当然ニアにポジションを取っていたが、ボールは守田の右の狭いところを通った。守田は反応するも、時すでに遅し。イニエスタのシュートの速度が上回った。
あまりにも角度のない場所からのゴールに、映像が歪んでいるのかと思いたくなる。が、イニエスタにとってはピッチのあらゆる場所がゴールを狙える位置なのかもしれない。
フィンク監督去りしクラブを鼓舞するかのようなこの驚愕ゴールもあって、8戦ぶりに勝利を飾った神戸。26日に行われる次節・札幌戦から三浦新監督が指揮を執るが、どんな体制でもイニエスタがこのチームを力強くけん引するはずだ。